大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

広島高等裁判所岡山支部 昭和58年(う)94号 判決

本件チェッカーのうちの1台が,供用物件であることは所論も争っていないのであり,更に残り25台が供用物件に当たらないことは証拠上疑問の余地がないから,問題は右25台のチェッカーが「犯罪行為に供しようとした物」といえるか否かである。

ところで,右にいう「犯罪行為に供しようとした物」とは,犯罪構成要件に該当する行為の遂行に使用する目的で用意したが,現実に使用されないで終ったものをいうと解されるところ,被告人は常習として賭博をしようと企て,そのためにチェッカー遊技機26台を設置していたこと,しかも現実に右のうち1台を犯罪行為に供していることは,いずれも証拠上否定できず,而して,本件犯行が常習一罪(包括一罪)であることを考えると,(つまり,仮に未使用の右25台の全部,もしくは一部を犯行に供したとしても,それは別罪を構成するものではなく,右1台のチェッカーにより既に遂行された行為と包括して一罪となる関係にある。)結局,残余の右チェッカー25台は「犯罪行為に供しようとした物」というべきであり,その全部を没収することも許される。

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!